化学設備の安衛則|P&ID と機器リストで決める項目
2026-10-26
化学設備には、労働安全衛生規則の第二編第四章第三節「化学設備等」(第268条〜第278条)の規定がかかります。バルブの表示、計測装置、緊急しや断装置など、基本計画と P&ID で決める事柄が多く含まれます。e-Gov 法令検索の条文から、設計の段階で確かめる点を整理します。
化学設備と特殊化学設備
規則は、化学設備のうち、発熱反応が行われる反応器等、異常化学反応などで爆発・火災等を生ずるおそれのあるもの(配管を除く)を「特殊化学設備」と呼びます(第4条)。計測装置・自動警報装置・緊急しや断装置・予備動力源の規定は、この特殊化学設備にかかります。機器リストで、どの機器が当たるかを早めに決めておきます。
材料と接合部(第269条・第270条)
危険物または引火点が65度以上の物(危険物等)が接触する部分は、種類・温度・濃度等に応じて、腐食しにくい材料で造るか内張りを施します(バルブ・コックを除く)。ふた板、フランジ、バルブ、コックの接合部は、ガスケットを使うなどして漏えいを防ぎます。機器リストの材質の欄と、配管の仕様を決める前提になります。
バルブの表示と二重化(第271条・第272条)
化学設備のバルブ・コックと、それを操作するスイッチ・押しボタン等には、開閉の方向を表示し、色分けや形状の区分を行います。区分は色分けだけにしてはならないとしています。しばしば開放・取り外すストレーナ等と、最も近い化学設備との間には、バルブ・コックを二重に設けます。確実に閉止していることを確かめられる装置を設けるときは、この限りではありません。
原材料の表示(第273条)
原材料を送給する作業者が誤らないよう、見やすい位置に、原材料の種類と送給の対象となる設備などを表示します。受入れ口や送給ラインの呼び名を、P&ID と現場の表示で揃えておくと、表示の内容を決めやすくなります。
計測装置と自動警報装置
特殊化学設備には、内部の異常を早く把握するための温度計、流量計、圧力計等の計測装置を設けます(第273条の2)。自動警報装置も設けます。ただし、扱う危険物等の量が厚生労働大臣の定める基準に満たないものは除かれます(第273条の3)。設けることが難しいときは、監視人を置いて運転中に監視させるなどの措置をとります。
緊急しや断装置と予備動力源
特殊化学設備には、原材料の送給をしや断する、製品等を放出する、不活性ガスや冷却用水等を送給するなど、異常な事態に対処する装置を設けます(第273条の4)。その装置のバルブ・コックは、確実に作動し、常に円滑に作動できる状態に保ち、安全かつ正確に操作できるものとします。動力源には直ちに使える予備動力源を備え、スイッチ等は施錠や色分け・形状の区分で誤操作を防ぎます(第273条の5)。
安全弁と吹出し先(第278条)
異常化学反応などで内部の気体の圧力が大気圧を超えるおそれのある容器には、安全弁またはこれに代わる安全装置が要ります(内容積0.1立方メートル以下の容器を除く)。排出される危険物による爆発・火災を防ぐため、密閉式の構造にするか、安全な場所へ導くか、燃焼・吸収等で処理できる構造にします。P&ID では、安全弁の吹出し先まで線をつないで描いておきます。
作業規程と定期自主検査
作業規程には、バルブ・コック等の操作、計測装置・制御装置の監視と調整、安全弁や緊急しや断装置の調整、異常時の応急の措置などを定めます(第274条)。定期自主検査は2年以内ごとに1回で、安全装置や自動警報装置、予備動力源の機能も対象です。結果は記録し、3年間保存します(第276条)。
化学設備の規定は、バルブの表示から安全弁の吹出し先まで、P&ID と機器リストで決める事柄と重なります。基本計画の段階で、特殊化学設備に当たる機器と、要る計測・警報・しや断の装置を洗い出しておくと、手戻りが減ります。条文は改正されることがあるので、e-Gov 法令検索で最新の条文を確かめ、消防法や高圧ガス保安法などほかの法令も別に確かめてください。
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